個人から贈与により財産を取得した場合には贈与税が課税されます。
それでは、贈与税のかかる「財産」とはどのようなものでしょうか?
これには「本来の贈与財産」と「みなし贈与財産」があります。

「本来の贈与財産」とは?
実際にもらった金銭や不動産、株式など、金銭で見積もることのできる経済的価値のある全てのものをいいます。

「みなし贈与財産」とは?
その経済的効果が実質的に贈与を受けたのと同様であるとみなされるものをいいます。
具体的には、以下のようなものが該当します。
① 財産を時価よりも安い価格で譲り受けた場合の、その時価との差額。
② 自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合のその保険金。(死亡した人が保険料を負担していた場合には贈与税ではなく相続税が課税されます。)
③ 「ある時払いの催促なし」でお金を借りた場合のそのお金。
④ 借金の免除を受けた場合のその借金相当額。(ただし、資力を喪失して借金の返済が困難である場合には、贈与税は課税されません)

※ 売買や賃貸借の形をとっていても、実態が贈与であると認められた場合には、贈与税の課税の対象となることがあるため、注意が必要となります。

一方、贈与により取得した財産でも、その性質や贈与の目的等からみて贈与税を課税することが適当でないものがあり、これらについては贈与税が非課税とされています。
具体的には、以下のようなものが該当します。
① 一人暮らしの学生に対する両親からの仕送り。
② 香典や見舞金等。
③ 離婚による財産分与としてもらったもの。
ただし、いずれも常識的な金額の範囲内で、通常必要だと認められる範囲のものに限られます。
金額が大きすぎたり、仕送りのお金を貯金に回したり車を買ったりしているような場合には贈与税が課税されることになります。

準確定申告

 相続が発生した場合には、相続税の申告や遺産分割協議等の手続が必要となりますが、その他に、亡くなられた方が事業を行っていた場合や不動産の賃貸をしていた場合等に忘れてはならないのが、所得税の「準確定申告」です。
 通常の所得税の確定申告は、翌年の2月16日から3月15日までの間に申告しますが、亡くなられた方の所得税については、「相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内」に相続人の方が申告し、納税する必要があります。例えば、8月20日に亡くなった方の場合は、12月20日までに申告、納税する必要があることになり、これを過ぎてしまった場合には、所得税の他に、別途、加算税や延滞税等が課されてしまいます。準確定申告により納付する所得税は、本来亡くなった方ご本人が負担するべきものであるため、亡くなった方の相続税の計算上は債務として課税財産から控除することができますが、相続人の責めに帰すべき理由により発生した加算税・延滞税等については控除の対象とはならないため、注意が必要となります。
 準確定申告をする場合には、1月1日から亡くなった日までの、亡くなった方の収入や経費を基に所得税を計算します。その際、所得税の計算上控除できる社会保険料や生命保険料等についても、死亡の時までに支払った額となり、配偶者控除や扶養控除等の判定も年末ではなく死亡の時の現況により行います。給与や年金の源泉徴収票、各種控除証明書等については亡くなった時までの金額を証明するものを発行してもらう必要があります。
 また、亡くなった方の準確定申告だけでなく、相続人の方の所得税の確定申告についても留意する必要があります。例えば、サラリーマンをしていて、今まで所得税の確定申告をしていなかった方が、父親の死亡により賃貸用マンションを相続したような場合、この方はその年分以後、「不動産所得」を有することとなり、毎年の所得税について確定申告をする必要がでてきます。