木はいくら?

 相続税の申告のお手伝いをしていると様々な財産を評価する機会があります。今回は立木を評価する機会がありましたので簡単にご説明致します。
 そもそも立木とは「地面に生育している樹木」のことをいいます。具体的には、杉・ひのき・松・くぬぎなどです。また、立木はその樹種や樹齢ごとに林班、小班という単位で管理されております。
 基本的な評価方法については、立木の樹種と樹齢に応じて1ヘクタール当りの標準価額というものが国税庁より発表されており、その標準価額に面積(ヘクタール)を乗じて計算することになります。
 それ以外の要素として、「地味級」「立木度」「地利級」というものがあります。それぞれ以下の基準で判定し、評価額に反映されます。

・地味級
 樹齢に応じた材積(木材の容積)に応じて算定します。容積が大きい方が評価の高いものとされ、上級のものは1.3倍、下級のものは0.6倍を評価額に乗じます。
・立木度
 林地面積に対する木の密度に応じて算定します。密集している方が評価の高いものとされ、密であれば1.0倍、疎であれば0.6倍を評価額に乗じます。
・地利級
 その立木を伐倒して集材場所へ運ぶまでの距離と集材場所から製材工場などへ運ぶまでの距離を基に算出します。距離の近いほうが評価の高いものとされ、距離の近さに応じて0.1倍~1.2倍を評価額に乗じます。

 これらの状況を確認するため森林組合等から森林簿をお預かりし、具体的な面積等を確認するというのが評価の流れになります。
 こうした立木などは亡くなられたご主人様が全て管理しているケースがあり、ご相続されるお子様たちはまるで状況が分からないということが多くあります。お父様が「山」を持っている場合は、コミュニケーションもかねて散策をしてみてはいかがでしょうか。

相続発生!通夜・葬儀・分骨

 先日、税理士として開業していましたが故人となってしまった知人の葬儀に参列する機会がありました。故人が家庭内の細々とした手続きや支払事務を一手に引き受けていた為に親族は途方に暮れてしまい、相続税の申告についてまで「パパの相続税の申告、パパに頼まなきゃ。」と言ってしまうような始末でした。
 実際には悲しみを乗り越え10ヶ月の期間を費やして相続税の申告をするのですが
今回は死亡時の混乱について少し感じたことを纏めてみました。
 故人のことを慕うあまり分骨して持ち帰りたいという親族がいました。
遺骨であります焼骨の取り扱いは、「墓地、埋葬等に関する法律 (通称・墓地埋葬法)」上制限が生じます。本骨も分骨もそれぞれ自治体の火葬証明書なり、自治体または墓地管理者よりの分骨証明書が添付されていませんと将来納骨の際に非常に困ることになります。
火葬場で分骨する場合「火葬証明書」を必要枚数発行してもらいましょう。公文書なのでコピーなどは認められません。
 すでにお墓に埋葬してある遺骨の一部から分骨する場合は墓地の管理者に「分骨証明書」を発行してもらいます。
 個人的に少し持ち帰り身近におきたい気持ちはわかるのですが、喪主の気持ちを最優先して故人を大切にして欲しいと切実に感じました。
 さて相続税の申告に際し、葬儀費用は死亡後に発生した費用であるため、本来は被相続人の債務とはなりません。しかし、相続の発生に伴い当然かかる費用であるため、控除が認められています。その対象となるものの中には、本葬費用、通夜費用、火葬・埋葬・納骨の費用も含まれています。
 お寺に払った葬式費用というのは、領収書がなくても実際に支払ったものであれば、支払年月日、金額、相手先のお寺の住所、氏名のメモでも葬式費用として認められます。

代償分割

(1)代償分割とは?
 相続人が相続財産を分割する方法として、代償分割という方法があります。これは例えば、「長男がすべての遺産10億円を相続し、その代わりに長男が次男に代償金1億円を支払う」というように、特定の相続人が財産を相続する代わりに、他の相続人に金銭などを与える方法です。
相続する主な財産が、自宅・農地・その他事業用地などの不動産の場合、または自社株の場合など、分割が難しいケースに有効です。

(2)相続税の課税価格の計算
 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算については、次のとおりとなります。
 ①代償財産を交付した人(長男)の課税価格
   相続により取得した財産の価額 ― 交付した代償財産の価額=取得財産の価額
   [例] 10億円 - 1億円 = 9億円

 ②代償財産の交付を受けた人(次男)の課税価格
   交付を受けた代償財産の価額
   [例] 1億円

(3)代償分割と譲渡所得税
 代償分割によって財産を取得した相続人(長男)が現金で1億円を交付した場合
には、譲渡所得の課税問題は生じません。
ただし、現金でなく相続人固有の不動産(長男がもともと所有しいた不動産)で
代償財産を交付した場合には、所有権が移転したときに、その不動産の時価相当額の収入があったとして譲渡所得の課税が生じます。 
 これは、不動産を移転することにより、債務1億円が消滅するため、資産の有償譲渡があったことになるからです。
 代償財産の交付を金銭以外で行う場合にはどうぞ注意ください。