相続が発生した場合には、相続税の申告や遺産分割協議等の手続が必要となりますが、その他に、亡くなられた方が事業を行っていた場合や不動産の賃貸をしていた場合等に忘れてはならないのが、所得税の「準確定申告」です。
通常の所得税の確定申告は、翌年の2月16日から3月15日までの間に申告しますが、亡くなられた方の所得税については、「相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内」に相続人の方が申告し、納税する必要があります。例えば、8月20日に亡くなった方の場合は、12月20日までに申告、納税する必要があることになり、これを過ぎてしまった場合には、所得税の他に、別途、加算税や延滞税等が課されてしまいます。準確定申告により納付する所得税は、本来亡くなった方ご本人が負担するべきものであるため、亡くなった方の相続税の計算上は債務として課税財産から控除することができますが、相続人の責めに帰すべき理由により発生した加算税・延滞税等については控除の対象とはならないため、注意が必要となります。
準確定申告をする場合には、1月1日から亡くなった日までの、亡くなった方の収入や経費を基に所得税を計算します。その際、所得税の計算上控除できる社会保険料や生命保険料等についても、死亡の時までに支払った額となり、配偶者控除や扶養控除等の判定も年末ではなく死亡の時の現況により行います。給与や年金の源泉徴収票、各種控除証明書等については亡くなった時までの金額を証明するものを発行してもらう必要があります。
また、亡くなった方の準確定申告だけでなく、相続人の方の所得税の確定申告についても留意する必要があります。例えば、サラリーマンをしていて、今まで所得税の確定申告をしていなかった方が、父親の死亡により賃貸用マンションを相続したような場合、この方はその年分以後、「不動産所得」を有することとなり、毎年の所得税について確定申告をする必要がでてきます。


