宅地の有効活用と不合理分割

 宅地の評価をする場合において、例えばとある一筆の宅地をそのまま評価する場合と、その宅地を二つに分筆して評価する場合とでは評価額が変わる可能性があります。それは分筆により奥行価格補正率や不整形地補正率等が変わることがあるためです。親族間で遺産分割等をする場合に、この性質を利用して宅地の評価を下げるため、その宅地を現実の利用状況を無視したようなありえない分割が行われることがあります。これを不合理分割といいます。
それでは具体的にどのような場合が不合理分割となるのでしょうか。一般的には、現実の利用状況を無視した分割により無道路地・不整形地・奥行短小な土地や接道義務を満たさないような土地ができる場合や、現在および将来においても有効な土地利用が図られないと認められるような場合には、不合理分割と認定される可能性があります。例えば、分筆後のそれぞれの宅地を単独で有効活用できないケース(一方の宅地が極端に狭いことなど) や、単独で有効活用できたとしても容積率や建ぺい率が低くなることにより今までは3階建てまで建築することができたにもかかわらず、分筆後には1階建てまでしか建築できなくなるような利用に制限がついてしまうケース等は有効活用の図られていない場合に該当するものと考えられます。
 仮に不合理分割であると認められると、その宅地の価額は分割後の所有者単位で評価するのではなく、その分割前の1画地の宅地として評価します。こうすることにより実態に則した評価・課税を行います。なお、この取り扱いは同族会社間等で不合理分割が行われた場合においても適用されます。
 この取り扱いは逆をいえば、将来的において宅地の有効活用がされると見込まれ、不合理分割でないような分割をすれば宅地の評価額は下がる、ということがいえます。実態に則した内容であれば、宅地をそのまま評価するのではなく、分割して評価を下げることを検討することも相続税・贈与税を節税する一つの手段となります。