相続登記をお忘れなく

 相続税の申告や納付は、相続発生から10ヶ月以内という期限があります。ただ、相続登記をこの期限内に完了させなければならないという規定はなく、また、登記しないことによる罰則もありません。売買の場合は、他人との取引ということもあり、所有権移転登記が代金の授受と同時に必ず行われますが、相続登記は、身内との取引ということもあり、中には、そのうち、ゆっくりやればいいとお考えの方がいらっしゃるようです。
 先日、お目にかかったお客様は、ご所有の?土地について、お爺様のご相続、曾お爺様のご相続と2代にわたって登記をされていらっしゃりませんでした。お客様がおっしゃるには、曾お爺様のご相続の際は、家督相続が当時の法律で決められていたので、曾お爺様からお爺様への相続は、他の相続人の承諾を得なくてもそのままお爺様が相続されるのではとおっしゃられていました。
 司法書士の先生によると、曾お爺様の時代は法律で家督相続が決められていたとしても、現在に登記する際は、現在の民法にて、曾お爺様の現在の相続人で分割を協議しなければならないとの答えでした。しかも曾お爺様の相続登記をし、その後、お爺様の相続登記と2回登記しなければならないようでした。曾お爺様の相続人は、現在、どなたになるのでしょうか?まず、相続人を確定する作業に入ることになりましたが、かなりの時間がかかることが予想されます。
 またこの状態で、また、ご相続が発生した場合は、相続の申告期限までに、2代の相続登記が完了していないと、この土地については分割できないことになり、「配偶者に対する税額軽減」や、「小規模宅地の特例」は適用できないことになります。
 時が過ぎれば過ぎるほど、相続人が鼠算式に増えていき、やっかいになっていくのが、相続登記です。相続登記をされていない方、是非、お早めに登記をされることをお勧めします。