これは私と同業者のA先生のお話です。
昨年A先生のお父様に相続がおこり、相続人はお母様、お姉様、A先生の3人でした。A先生がご両親と同居されていて、日ごろの家庭内の事は全てA先生の奥様にお願いをしており、とても仲の良い家族関係であったそうです。
お母様とお姉様との遺産分割も終わり、相続税申告書も提出して全てが無事に終了しました。
ですが、何かおかしい?どこかで誰かが自分を見ている、と原因が分からない異変に気がつきました。なんだか分からないのですが確かに、どこかで自分をとても冷たい目でじっとみているような気がし、数週間落ち着きませんでした。
A先生は恐らく相続の関係だと思い当たり、さかのぼってじっと考えました。
やっと分かったのです。原因はA先生の奥様の目が自分を冷たく見ていることを。
そこでA先生は「今回の遺産分割で何か問題があった?」と奥様に質問しました。
奥様はしらっと「A家の相続ですので、私には関係ありません。ご自由に!」と言い放ったそうです。
A先生は自問自答して、さらに悩みました。
そのような状態でのさなかにA先生と、ある研修会の懇親会で隣り合わせになりました。上記の事情をお聞きした私にはすぐに答えが分かりました。
奥様はA家では相続人ではありません。がしかし、お亡くなりになったお父様の面倒を実質的に見てきたのは自分であるとの自負があるのです。
それに対してお姉様は相続人ではあるけれども老後のお父様の面倒は何一つみていません。
こだわりはそこにあったのであろうと思います。
恐らく奥様は、お母様とお姉様から「長い間、父の面倒をみてくれてありがとう。本当に感謝しています」のような一言が欲しかったのだと思います。
そこでA先生への最後のアドバイスとして、「二人とも言葉では言わなかったかもしれないけど心の中では君に感謝していると思うよ。当然、僕は何倍も君に感謝しているよ。その感謝の気持ちとして君の好きな物をプレゼントするよ。」と奥様にお話をしてくださいと。
「でも、110万円(贈与税の基礎控除)を超えない範囲でのプレゼントにしてください」とも。


