親の財産を相続により取得したものの、その財産が不要であったり、相続税の納税資金を確保したりするために譲渡することがあります。この場合、財産を譲渡していますので所得税の確定申告をする必要があります。ただし相続財産を譲渡したときは、以下の特例があるため通常の譲渡所得の計算と相違する点があります。
①取得時期・取得費の特例
②相続税額の取得費加算
①について、相続により取得した財産の取得時期・取得費は、相続発生時ではなく、被相続人の取得時期・取得費を引継ぎます。これには被相続人と相続人双方の保有期間中のキャピタルゲインについて課税をするねらいがあります。
相続に際して支出した不動産登記費用や名義変更費用については、その取得費に加算(業務用資産の場合は支出時の必要経費に算入)することができますので、領収書等は大切に保存しておきましょう。
また、この規定は相続だけでなく贈与により取得した財産についても適用があります。
②について、相続により取得した財産を相続税の申告期限の翌日から3年以内(相続開始の日の翌日から3年10ヶ月以内)に譲渡した場合には、支払った相続税額のうち、その譲渡した資産(土地を譲渡した場合は、すべての土地)に対応する部分として一定の算式により計算した金額を取得費に加算して譲渡所得の計算をすることができます。取得費に加算しますので、その分所得が小さくなり、所得税を軽減する効果があります。
この規定の適用を受けるためには相続税の申告書を添付しなければなりませんので、こちらも大切に保存しておきましょう。
年が明けていよいよ本格的な確定申告の季節に入りました。平成19年中に上記のような譲渡をされた方は確定申告の期限(今年は3月17日)までに申告と納税をしなければなりませんのでお忘れなく。


