相続が発生した時に、まだ生まれていない子供(胎児)がいた場合には、どのように取り扱えば良いのでしょうか?
相続に関する取扱いは常に民法と相続税法の2つのルールに分けて確認する必要があるのですが、この胎児の件も民法と相続税法に分けて考えてみます。
まず民法では以下のように規定しています。
①胎児は、相続開始時には法定相続人としての権利能力を有していない
②ただし、相続と遺贈の場合においては相続開始時に既に生まれていたものとみなす
ちょっと解りにくい規定ですが、判例では胎児は相続開始時には法定相続人としての権利能力を有していませんが、その後無事に生まれた時に相続開始時に遡って生まれていたものとみなし相続能力を認めるということとしています。
したがって、遺産分割の手続きは胎児の出生を待って行うことになります。
一方、相続税法においては胎児が出生した場合に限り法定相続人として取扱うこととしています。
したがって胎児が相続税の申告書を提出する日までに生まれていない時は基礎控除額の計算等は胎児がいないものとして計算することにしています。その後、胎児が生まれた時は法定相続人に異動が生じますので、相続税の計算をやり直します。
ただし、相続税の申告期限内に出生することが大部分と考えられますから、出生を待ってから遺産分割及び相続税の申告を進める方が望ましいと思います。
なお、相続税の申告期限は通常、相続開始を知った日の翌日から10カ月以内としていますが、胎児の場合には『法定代理人がその胎児が生まれたことを知った日』から10カ月以内となります。また、他の相続人においても申告直前(申告期限の1カ月以内)に胎児の出生があった場合には申告期限を2カ月以内で伸長できます。


