相続税がかからなくても必要な手続き

 前回のコラムでもあったとおり、相続が起こっても税金が出ないかたは多々いらっしゃるかと思います。かからないから安心だと思っていらっしゃる方はご注意ください。
 配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例を適用することによって、相続税がかからないことになる場合には注意が必要です。なぜなら、これらの特例は申告することが適用要件となっているからです。
 
それ以外にも相続が起こった際には行わなければならないことは葬儀手続き以外にもたくさんあります。
 おおまかなものでも、預貯金口座の相続解約、公共料金の名義変更、保険契約者の名義変更、賃貸住宅の名義変更(借地権契約の名義変更を含む)、自動車等の名義変更、ゴルフ会員権などの名義変更、株式名義の書換請求、不動産の所有権移転登記、債務者変更申込、とたくさんあるのです。
特に注意していただきたいのは不動産の登記です。

 実際にあった話ですが、相続が起きた際、税理士に相談したところ相続税はかからないとのこと。配偶者と兄弟間ではよかったとほっと胸をなでおろしていました。しかし、「でも相続登記は必要ですから」といわれ、今度は司法書士に相談したところ、「お父さん、前回の相続で相続登記していないですね・・・。お父様のご兄弟等の了承を取らないと登記が出来ませんよ。」。そこで遡って相続関係図を作成してもらうと亡くなったお父さんはご兄弟が9人おり、かつ、ほとんどの方がお子さんが2・3人いて、かつ、ほとんどの兄弟が亡くなっている状況でした。
  単純計算で亡くなった方を除く8人×3人=24人から同意書を貰わなければ相続登記が出来ない状況だったのです。しかも、音信不通の方ばかりでしたので、途方にくれてしまったようです。
 こんなあとあとの迷惑にもつながりますし、面倒の元ですので、相続発生後の名義変更・登記手続きは忘れずに行いましょう。