お墓は誰が買ったらいいの?

次のような例の場合、どうするのが相続税節税の見地からはよりよいでしょうか。

 例)資産家のAさんが亡くなりました。Aさん家代々のお墓は遠隔地にあり、遺族は今後のお墓参りや管理のことを考え、新たに近場にお墓を購入しようと考えています。Aさんには配偶者Bさん(80歳)と1人息子のCさん(55歳)がいます。BさんはAさんの死亡により多額の財産を引き継いでおり、また、Cさんも自立して裕福な生活をしているため、お墓を購入するだけの資金は十分にあります。この場合、お墓は配偶者Bさんと一人息子Cさんのどちらが負担をした方がよいでしょうか。

 このような相談を受けたらBさんが負担した方がよいとお答えすることになります。何故ならばお墓は相続税が非課税の財産だからです。母親であるBさんが持っているお墓をBさんの相続により子のCさんが取得してもそのお墓に対しては相続税は一銭もかかりません。この例の場合、Bさんは多額の財産をもっていますし、高齢であることから将来Bさんが亡くなってしまった場合の相続税について念頭に置かなければなりません。

 例えば奮発して3,000万円のお墓を買ったとします。Bさんが買えばBさんの現預金が3,000万円減ります。先に述べましたようにお墓は相続税が非課税ですから、Bさんの相続財産が3,000万円減ることになるのです。しかし、息子のCさんが買うとBさんの財産は減らずCさんの財産が減ってしまう上にBさんが亡くなってしまった際には、Bさんがお墓を購入した場合に比べて3,000万円の相続財産に相当する相続税を多く支払わなければならなくなるのです。Aさんが亡くなった時(一時相続)は配偶者がいるため配偶者の税額軽減によりある程度相続税を抑えることができました。しかし、Bさんが亡くなってしまった場合(二次相続)には、相続人はCさんだけですので基礎控除額が一時相続のときよりも1,000万円少なくなくなってしまいますし、また既に配偶者がいないので配偶者の税額軽減を適用することができません。よってCさんの相続税の負担は一時相続のときに比べて重くなってしまいがちです。資産家の方はいろいろな節税対策を講じられることかと思いますが、このようにお墓を誰が買うかということも小さいですが節税の一つとして頭に入れておいてはいかがでしょうか。(なお、お墓のほか、仏壇や仏具も相続税は非課税となりますのでこれらについても同じことが言えます。)