「誰かから何かをもらったら贈与税がかかる」ということは、皆さんなんとなく理解していることだと思います。ところが、その「誰か」が親だったら・・・。たとえば、生活費や学費の仕送り、入学祝い、車やマイホーム資金の援助など。このお金には、贈与税がかかるのでしょうか。
親からもらう生活費や教育費も、法律行為としては贈与に該当します。では、生活費や教育費にも贈与税がかかるかというと、「扶養義務者からもらう生活費または教育費のうち通常必要と認められるもの」については贈与税の非課税とされていますので、贈与税はかかりません。ただし、この生活費や教育費は必要な都度その支払いに直接充てることが原則とされていますので、たとえば4年分の教育費として一括で受け取っておき、その金額を貯蓄したり投資資金や資産の購入費用に充当したりした場合には、非課税とはなりません。
また、入学祝いについても、「香典や年末年始の贈答、祝物またはお見舞いのための金品であって、社会通念上相当と認められるもの」に該当するものであれば、贈与税を課税しないものとして取り扱われています。
それでは、車やマイホームなどの資産を購入する場合に親から貰ったお金はどうなるのでしょうか。このお金については、贈与税の非課税として規定されていないので、原則どおり贈与税が課税されることになります。ただし、車やマイホーム購入に際し親から援助を受けた金額が、贈与を受けたのではなく「親ローン」として借りたのだということでその後きちんと返済をしていれば、贈与税の対象とはなりません。
ここで、贈与税の納税が発生しないように「親ローン」の形式をとっておき、その後子が返済しなかった場合にはどうなるのでしょうか。この場合には、贈与をした親に相続が発生した場合に問題となってきます。
「親ローン」は親の立場からいうと「債権」、つまりプラスの財産になりますので、その「親ローン債権」を相続した人に相続税がかかるということになります。つまり、債務者である子が相続した場合には、借りたときには贈与税を払わずに済みましたが、相続により自分が「債務者かつ債権者」となって返済不要となった時点で、相続税を支払うことになるわけです。
なお、そもそも「親ローン」の契約時点で「あるとき払いの催促なし」ということで当初から返済しないつもりであったにもかかわらず「親ローン」の形式を仮装していたに過ぎないと判断された場合には、当初契約時に贈与税を支払うべきであったとして贈与税のほか延滞税や加算税の支払いをしなければならない場合もありますので、注意が必要です。


