内縁の妻を選択した場合のメリットは?

 近頃、結婚という選択をせずに生活を共にするカップルが増えています。俗に言う「内縁関係」というものですが、このような内縁関係を選択した場合に相続や年金ではどのような取扱いになっているのでしょうか?
 
 民法の規定により法定相続人になれるのは、配偶者(法律上の夫または妻)、子、父母、兄弟姉妹の4種類の立場の人です。よって、内縁の妻には相続権はないことになりますので、遺産を残したい場合には遺言を書く必要があります。

 しかし遺言により遺産を取得できたとしても、相続税法上は配偶者とは認められないため、本来配偶者であれば認められる配偶者の税額軽減等が適用できず、さらに相続税額が2割増になってしまいます。

 配偶者に相続権を認めている主な理由は、名義上は亡くなった方単独の名義になっている財産でも、その財産の形成に配偶者が貢献している場合が多く、潜在的には持分権を持っていると考えられること、また、その方が亡くなったことにより扶養を受けられなくなったことの代わりとしての意味があると解されています。このことから考えると、法律上の婚姻関係はないということで内縁の妻に相続権を全く認めないというのは、バランスを欠いているように思えます。この配慮として、相続人が不存在の場合には、内縁の妻に特別縁故者として遺産の全部又は一部を取得させることを認めていますが、あくまで限定的な取扱いと言えます。

 民法及び相続税法においては、法律上の婚姻関係が重視されていると言えますが、一方遺族年金においては、内縁の妻に対しても、年金受給権の引継ぎを認めていますし、健康保険の被扶養者になることができるなど、より生活の実態に合わせた取扱いが行なわれています。
このように、内縁関係に対する配慮も広がってきていますが、相続という観点から見ると内縁関係を選択するメリットは少ないと言えます。