ある日、相続が起こりました。お葬式、四十九日…。慌しく過ぎていきましたが、一段落ついたところではたと気がつきました。「相続税の申告をしないといけないのだろうか?」
目安として、次の計算をしてみてください。
プラスの財産(土地・建物・現預金など) - マイナスの財産(借入金・葬式費用など)=A
Aの額が基礎控除額を超える場合には、相続税の申告をしなければならないと考えられます。では、基礎控除額とはいくらなのでしょうか?基礎控除額は、5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)で計算されます。例えば相続人が配偶者と子供2人だったときの基礎控除額は、
5,000万円+(1,000万円×3人)=8,000万円
です。この場合、先程のAの額が8,000万円を超えるならば、申告が必要と考えられます。
ひょっとしたら次のようなことをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。「そういえば配偶者には税額軽減の特例があるって聞いたことがある!基礎控除額は超えるけど、その特例を使えば税額はでないみたいだから、申告しなくていいのかな」ご注意ください。基礎控除額を超えている場合、配偶者の税額軽減・小規模宅地等の減額(生活の基盤となる土地に対する軽減です)・自社株の減額によって結果的に税額が0になるとしても、申告はしなければなりません。なぜかというと、これらの特例は申告をしなければ受けられないものだからです。
さて、プラスの財産として、土地・建物・現預金・有価証券・生命保険金(非課税枠あり)などはすぐに思いつかれるものだと思います。忘れがちなのが「生命保険契約に関する権利」(以下「関する権利」とします)と呼ばれるものです。被相続人(亡くなった方)以外の方を生命保険の対象(被保険者)とする保険について、被相続人が保険料を支払っていた場合に、その負担分に応じる解約返戻金相当額がプラスの財産とされるのです。被相続人の死亡によって支払われる生命保険金は実際に保険金の入金があるためわかりやすいと思いますが、「関する権利」は被保険者が被相続人ではないため、相続が起こっても保険金の入金はありません。そのため見落としがちなのです。
このように普通は財産だと思わないようなものでもプラスの財産として課税の対象になるものがあったり、逆に普通は差し引けると思わないようなものでもマイナスの財産として差し引けるかもしれませんので、ご心配であればまずは専門家にご相談されてみてはいかがでしょうか?


