一時金でもらえば非課税で年金でもらえば課税?

ここで一つクイズです。甲さん乙さんの条件は同じと考えてください。
甲さんは、相続がおきて生命保険金を一時金でもらいました。乙さんは相続がおきて生命保険金を年金方式(受取額は確定)でもらいました。この場合の甲さん乙さんの所得税は課税か非課税か?
(四択)
①甲さん乙さんとも課税        ②甲さん乙さんとも非課税
③甲さんは課税・乙さんは非課税   ④甲さんは非課税・乙さんは課税

(答え)
実は、答えは二つあります。
(税務署的な答え)④と(裁判所的な答え)②
 
(解説)
(税務署的な答え)④
 生命保険金を一時金で受取って相続税の申告をした場合、相続税が課税されている一時金には所得税は課税しないということになっており非課税です。その趣旨は、一時金に相続税と所得税の一物ニ課税を排除することにあります。
生命保険金を一時金ではなく年金方式で受け取る場合には、相続税では年金受給権で評価されて相続税の課税対象になり、その後、実際に毎年年金をもらった場合には年金の支払原資との差額が雑所得ということで所得税が課税されます。

(裁判所的な答え)②
でも、裁判所は上記の考え方に対して以下のように考えました。
「生命保険金であろうが年金受給権であろうが、その経済実体は何ら変わるものではない。したがって、年金形式で受け取った場合であっても非課税と解釈すべきである。」
 
長崎地裁平成18年11月7日判決は以上のような考え方により納税者が勝訴しました。(課税当局は控訴)

皆様はどう考えますか?

 (参考文献:三木 義一稿「年金受給権と年金の課税関係~長崎地裁平成18年11月7日判決の意義」月刊税理2007年2月号 117頁以下)